2016年に公開された新海誠監督による、長編アニメーション映画『きみの名は。』
その人気は日本国内だけにとどまらず、全世界で累計4000万人を越える動員数、さらには世界興収3億6,102万ドルと、日本のサブカルチャーが世界に認められた誇るべき大作映画ですね。
そんな映画『君の名は。』が、リー・アイザック・チョンを新監督に迎え、ハリウッド実写リメイク版として甦るということで、ファンのみならずその内容に期待・注目されています。
ということで、今回はこの実写版『君の名は。』の制作を担当指揮する新監督「リー・アイザック・チョン」にフォーカスして、リー・アイザック・チョン監督とはいったいどういった人物なのか?について調べてみましたので、その生い立ちから映画にかける情熱などを解説していきます♪
実写版『君の名は。』新監督|リー・アイザック・チョンのwiki風プロフィール
✓ リー・アイザック・チョン基本プロフィール
- 名 前:リー・アイザック・チョン(Lee Isaac Chung)
- 生年月日:1978年10月19日(41歳)
- 国 籍:韓国系アメリカ人(両親は韓国からの移民)
- 出生地:アメリカ合衆国 コロラド州 デンバー
- 母 校:イェール大学(ユタ州)
- 結 婚:2005年
- 配偶者:ヴァレリー・チュー(臨床カウンセラー・開業医)
- 職 業:映画監督、脚本家、プロデューサー
実写版『君の名は。』新監督|リー・アイザック・チョンの生い立ちと経歴
今回、ハリウッド実写版『君の名は。』の監督を務めることになった、リー・アイザック・チョン監督。
じつは2018年に、『アメイジング・スパイダーマン』で有名なマーク・ウェブ監督がいったん指揮をとっていたんですが、原因不明の途中降板となり、後任に指名されたのがリー・アイザック・チョン監督となっています。
新監督に抜擢されたリー・アイザック・チョン監督ですが、その生い立ちはどういったものだったのでしょうか。
さっそく見ていきましょう♪
リー・アイザック・チョン監督|出生や出身・ルーツをたどる

アメリカ合衆国コロラド州デンバーで生まれ、アーカンソー州のリンカーンという小さな田舎の農家で幼少期をのんびり過ごしたといわれるリー・アイザック・チョン監督。
じつは、名前を見てわかるように、リー・アイザック・チョン監督の両親は、彼が生まれる前に韓国からの移民としてアメリカに来たそうです。
ですから、生まれも国籍もアメリカ人のリー・アイザック・チョン監督ですが、そのルーツは韓国にあるんですね。
リー・アイザック・チョン監督|優秀な学生時代

リー・アイザック・チョン監督は、名門大学イェール大学に進学します。
そして、両親の強い要望により医師を目指し、生物学を専攻します。
イェール大学といえば、ブッシュ大統領やヒラリー・クリントンさんの出身母校で、ハーバード大学などと肩を並べるほどの名門、さぞかし両親も自慢の、優秀な子供だったことがうかがい知れますね。
リー・アイザック・チョン監督|将来の夢が医師から映画監督へ

医師になる為に一生懸命勉学に励んでいたリー・アイザック・チョン監督ですが、次第にスクリーンを通して思いを伝える、という映画の世界に心が揺れ始めます。
その心に火をつけたのは、香港の映画監督ウォン・カーウァイの作品との出会いだったと、地元メディアにリー・アイザック・チョン監督本人が語っています。
そしてついに彼は両親が熱望していた医師になることをやめ、映画監督になる決意をすることとなります。
その後、イェール大学卒業後、映画の知識や技術を学ぶ為にユタ大学に進学、アートの最高学位といわれる「MFA(美術学修士)」を修得します。
リー・アイザック・チョン監督|奥さんとの運命的な出会い

リー・アイザック・チョン監督は、イェール大学在学中に、のちの奥さんとなるヴァレリー・チューさん(香港出身)と出会います。
そして、イェール大学卒業後の2005年に、二人は結婚することになります。
奥さんのヴァレリー・チューさんは、現在カリフォルニア州でメンタルクリニックを開業していますので、そう考えると、在学中に「医師になる」という同じ夢を持っていたことが、二人を結びつけたのかもしれませんね。
なんにしても、彼女とのこの出会いがきっかけで、彼の映画デビュー作『Munyurangabo(ムニュランガボ)』が生まれたといわれています。
リー・アイザック・チョン監督|デビュー作「ムニュランガボ」の制作秘話

奥さんのヴァレリー・チューさんは、イェール大学卒業後に、芸術療法(アートセラピスト)の学位(修士号)修得の為に、ニューヨーク大学へ進学します。
そして彼女は、毎年夏になると、医療活動の一環として、東アフリカのルワンダのボランティアに参加していました。
彼女の要望で毎年同行していた、当時25歳の若かりしリー・アイザック・チョン監督は、現地の学校で映画を教えながら、ルワンダの過去の歴史(ルワンダ大量虐殺)にも触れることになります。
ルワンダには、いまでも当時受けたトラウマ(精神的ダメージ)を抱えて苦しんでいる多くの人たちがたくさんいます。
そして、そのトラウマを抱えた人々を救いたいと願い、ボランティアでメンタルケア医療の活動を続ける妻、ヴァレリー・チューさんの姿。
そんな光景を目の当たりにした当時のリー・アイザック・チョン監督は
『目の前の現実を、全世界に伝えなくてはいけない!』
そう思ったそうです。
そんな思いから、彼の一作目の映画である『Munyurangabo(ムニュランガボ)』は出来上がります。
彼のその時の映画に対する情熱はすさまじく、リアルを追求するがゆえに、プロの俳優は一切使わず、現地の教え子や、地元の孤児院などから自ら交渉してキャストを選び、出来る限り本当の姿を伝える、という徹底ぶりでした。
そしてこの映画は、2007年フランスカンヌ映画祭でも上映ノミネートされ、カメラ・ドール部門の新人監督賞を受賞、さらにはAFIフィルムフェスティバルでも2007年の大賞を受賞しました。
リー・アイザック・チョン監督は、その後ルワンダに学校を開設して、若いルワンダの映画製作者の指導を、今でも続けているそうです。
リー・アイザック・チョン監督|これまでの映画作品一覧

✓ リー・アイザック・チョン監督|これまでの映画作品一覧
- 2007年:ムニュランガボ(Munyurangabo)
※フランスカンヌ映画祭2007 新人監督賞
※AFIフィルムフェスティバル2007大賞 - 2010年:ラッキーライフ(Lucky life)
- 2012年:アビゲイルハーム(Abigail Harm)
- 2015年:ドキュメンタリー映画「アンダーソンとの最後の出会い」
※共同監督作品 - 2020年:ミナリ(Minari)
※サンダンス映画祭グランプリ&観客賞受賞
まとめ:リー・アイザック・チョン監督のプロフィール|実写版『君の名は。』

今回、ハリウッド実写版『君の名は。』の監督として大抜擢された、リー・アイザック・チョン監督の生い立ちやこれまでの経歴、そして映画に対する情熱などをお伝えしてきました。
今年(2020年)は、彼の5作目にあたる『Minari(ミナリ)』が、サンダンス映画祭でグランプリを取るなど、これまでの彼の取り組みや情熱が認められ、世界でも注目される映画監督のひとりとなりました。
原作『君の名は。』が、これだけヒットした中でのハリウッド実写版リメイクということで、正直なかなか難しい映画製作になることは間違いないですよね。
でも、リー・アイザック・チョン監督のデビュー作秘話でも解説したように、彼の映画に対する情熱や、その考えぬかれた描写、そしてリアリティを追求するストイックさなど、リー・アイザック・チョン監督ならではの演出で、きっとコアなファンをも裏切らない、すばらしいリメイク作品として仕上げてくれるのではないかと、期待してしまいますね♪
今後のハリウッド実写版『君の名は。』の最新情報と、リー・アイザック・チョン監督の動向に注目ですね。