日本人初の世界バンタム級4団体統一チャンピオンとなり、颯爽と一つ上のスーパーバンタム級に駆け上がった井上尚弥。返上した4つのベルトのその行方は?
ということで、各選手色めきだっている混戦模様のバンタム級戦線の状況を、最新バンタム級世界ランキングや頭角を表し始めている注目のボクサーとともにお伝えしていきます!
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まずは、主要4団体の現在のバンタム級世界チャンピオンから確認していきましょう!
- WBA…井上拓真
- WBC…中谷潤人
- IBF …西田凌佑
- WBO…武居由樹
主要4団体のベルトをすべて日本人が獲得しているというのもなんだか感慨深いですよね。井上尚弥が4団体統一をしてから、間違いなく日本のボクシングレベルは高まってきていますねー。
では、各団体のチャンピオン以下のランキング詳細はどのようになっているのか、TOP10に入る選手たちも見ていきましょう♪
■バンタム級最新ランキング TOP10
Rank | WBA | WBC | IBF | WBO |
---|---|---|---|---|
王者 | 井上拓真 | 中谷潤人 | 西田凌佑 | 武居由樹 |
1 | アントニオ・バルガス | ペッチ・ソー・チットパッタナ | 空位 | デビッド・クエラー |
2 | 堤聖也 | アレハンドロ・サンティアゴ | 空位 | クリスチャン・メディナ |
3 | 那須川天心 | 那須川天心 | エマヌエル・ロドリゲス | 比嘉大吾 |
4 | 石田匠 | ジェイソン・モロニー | チャーリー・エドワーズ | アントニオ・バルガス |
5 | ビクトル・サンティリャン | フアン・マルティネス・アヤラ | ホセ・サルバ・レイエス | ランディ・ギーケ |
6 | ローレンス・ニュートン | デビッド・クエラー | 栗原慶太 | ジェイソン・モロニー |
7 | エロス・コレア | エマヌエル・ロドリゲス | ディラン・プライス | 堤聖也 |
8 | ジェルウィン・アンカハス | 栗原慶太 | クリスチャン・カート | サウル・サンチェス |
9 | 増田陸 | ヴィンセント・アストロラビオ | ランディ・ギーケ | トラン・バン・タオ |
10 | ジョナサン・ロドリゲス | チャーリー・エドワーズ | クリスティアン・メディナ | ケンブン・トーレス |
WBCランキング:2024年9月20日付
IBFランキング:2024年9月7日付
WBOランキング:2024年9月15日付
こうしてみるとランク入りしている日本人がかなり増えましたよね。過去には辰吉丈一郎や薬師寺保栄、亀田興毅なんかもこの階級で戦っていましたので、じつは日本人には馴染み深い階級なんですよね。
ボクシング バンタム級で今注目の選手8名を紹介!
それでは、改めて現在のバンタム級有力選手たちを見ていきましょう!あのお馴染みの選手から初めて名前を聞く選手まで、注目のファイターをご紹介します。
中谷潤人【28戦 28勝 (21KO) 】
- 本 名:中谷潤人
- 通 称:ネクストモンスター
- 国 籍:日本(神奈川県)
- 戦 績:28戦 28勝 (21KO)
- 年 齢:1998年1月2日(26歳)
- 身 長:172cm
- リーチ:176cm
- スタイル:サウスポー
- デビュー:2015年4月26日
現WBC世界バンタム級王者で、PFP(THE RING)でも9位にランクイン。すでに、バンタム級最強との呼び声も高いネクストモンスター。体格的にも、現在のバンタム級よりも1階級上のスーパーバンタム級の方が適正か。このまま無敗でバンタム級4団体統一し、あのモンスター井上尚弥との頂上決戦を誰もが期待してしまう逸材。
西田凌佑【9戦 9勝 (1KO) 】
- 本 名:西田凌佑
- 通 称:令和のアンタッチャブル
- 国 籍:日本(奈良県)
- 戦 績:9戦 9勝 (1KO)
- 年 齢:1996年8月7日(28歳)
- 身 長:170cm
- リーチ:173cm
- スタイル:サウスポー
- デビュー:2019年10月3日
現IBF世界バンタム級王者。プロ戦績は9戦9勝(1KO)と決して派手さがあるわけではないものの、常に安定した戦いぶりを見せる。過去には比嘉大吾やエマヌエル・ロドリゲスなどの強豪も撃破しており、その実力は確かなもの。次戦は12月ごろ予定とのことで、本人は那須川天心の試合を熱望しているが、那須川陣営の意向は今のところ不透明。
井上 拓真【20戦19勝 (5KO) 1敗】
- 本 名:井上拓真
- 通 称:なし
- 国 籍:日本(神奈川)
- 戦 績:20戦19勝(5KO)1敗
- 年 齢:1995年12月26日(28歳)
- 身 長:164cm
- リーチ:163cm
- スタイル:オーソドックス
- デビュー:2013年12月6日
現WBA世界バンタム級王者であり、ご存じモンスター井上尚弥の実弟。20戦19勝の井上拓真の唯一の敗戦は、WBC王座統一をかけたノルディーヌ・ウバーリ戦(2019年11月7日)。結果は12R 3-0の判定負け。
その後は順調に勝ち星を重ね、2023年4月8日にリボリオ・ソリス戦に12R 2-1の判定で勝利し、兄が返上したWBA世界バンタム級王座を手に入れている。次戦は、2024年10月13日に堤聖也(角海老宝石)と日本人対決が決まっている。
武居由樹【10戦10勝 (8KO) 】
- 本 名:武居由樹
- 通 称:Greatest Krusher
- 国 籍:日本(東京都足立区)
- 戦 績:10戦10勝(8KO)
- 年 齢:1996年7月12日(28歳)
- 身 長:170cm
- リーチ:173cm
- スタイル:サウスポー
- デビュー:2021年3月11日
現WBO世界バンタム級王者。2021年にK-1からボクシングに転向して1年半でOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座獲得。2024年5月にWBO世界バンタム級王者だったジェイソン・モロニーを12R 3-0の判定で破り、初王座獲得に成功。まだまだ未完ながら、KO率80%という破壊力と当て感センスがずば抜けたファイター。
デビット・クエラー【26戦26勝 (16KO) 】
- 本 名:デビッド・フェルナンド・クエヤル・コントレラス
- 通 称:El General(将軍)
- 国 籍:メキシコ
- 戦 績:26戦26勝 (16KO)
- 年 齢:2001年10月26日(22歳)
- 身 長:173cm
- リーチ:不明
- スタイル:オーソドックス
- デビュー:2017年7月1日
アマチュア戦績100戦90勝を引っ提げてプロに転向後、26戦26勝と負けなしの若手メキシコ人ファイター。まだ22歳と若いが、すでにWBO3位・WBC6位にランクインされており、いま期待の注目株。今後は、ランク上位選手との対戦は必須だが、いずれベルトを獲る選手になるかもしれない。
■ジルベルト・ペドロサとの試合映像(2022年10月1日)
※紫のパンツがデビット・クエラー
ディラン・プライス【18戦18勝 (12KO) 】
- 本 名:ディラン・クリストファー・プライス
- 通 称:リアル・ディル
- 国 籍:米国(ペンシルベニア州)
- 戦 績:18戦18勝(12KO)
- 年 齢:1998年8月17日(26歳)
- 身 長:165cm
- リーチ:165cm
- スタイル:オーソドックス
- デビュー:2017年2月4日
デビュー以来18戦全勝(12KO)で勢いに乗る26歳。9歳からボクシングを始め、アマチュア時代には110戦。18歳でプロデビュー戦を1R 61秒でKOし、メイウェザー・プロモーションズの目に止まり即契約。2022年7月にはNBA米国バンタム級王座、NABO北米バンタム級王座の二つのベルトを獲得し、現在IBF世界バンタム級7位まで上り詰めた。今後の活躍が注目されている。
■エドウィン・ロドリゲスとの試合映像(2021年7月)
※白と黄色のパンツがディラン。
堤聖也【13戦11勝(8KO) 2分 】
- 本 名:堤聖也
- 通 称:なし
- 国 籍:日本(熊本県)
- 戦 績:13戦11勝(8KO)1分
- 年 齢:1995年12月24日(28歳)
- 身 長:166cm
- リーチ:164cm
- スタイル:オーソドックス
- デビュー:2018年3月27日
堤聖也も2018年にプロデビュー後負けなしの無敗ボクサー。2022年6月に日本タイトルを得て、2023年に行われた賞金1000万円を賭けた「バンタム級モンスタートーナメント」でも見事優勝を果たし、次世代ホープとして名乗りをあげた一人。2024年10月13日には、WBA世界バンタム級王者の井上拓真との試合が決定している。
那須川天心【4戦4勝2KO 】
- 本 名:那須川天心
- 通 称:神童
- 国 籍:日本(千葉県)
- 戦 績:4戦4勝2KO
- 年 齢:1998年8月18日(26歳)
- 身 長:165cm
- リーチ:176cm
- スタイル:サウスポー
- デビュー:2023年4月8日
試合を行うたびに進化を遂げる”神童”那須川天心。まだプロ4戦しかしていないが、2024年には、当時WBA世界バンタム級4位だったジョナサン・ロドリゲスを3R 1分49秒で見事TKO勝利し、さらにその評価は上がった。那須川天心の次戦は、2024年10月14日にWBOアジアパシフィックバンタム級王座をかけ、ジェルウィン・アシロと試合を行う。
まだ底を見せていないバンタム級の無敗ボクサー達
ご紹介したボクサー以外にも、バンタム級にはまだまだ底知れぬ強者共がウジャウジャいます。虎視眈々とチャンピオンベルトを狙っているんですねー。
以下に紹介する選手は、未だ負けなしの無敗ボクサーたちで、いずれは現チャンピオン4名を轟かす存在になるかもしれません♪
選手名 | 戦績 | 年齢 | 国籍 |
---|---|---|---|
秋次克真 (Katsuma Akitsugi) | 11戦11勝(2KO) | 26歳 | 米国 |
イブラヒム・マフィア (Ibrahim Mafia) | 11戦10勝(7KO)1分 | 22歳 | タンザニア |
ローレンス・ニュートン (Lawrence Newton) | 16戦16勝(7KO) | 28歳 | 米国 |
ホセ・サラス・レイエス (Jose Salas Reyes) | 15戦15勝(10KO) | 22歳 | メキシコ |
マイケル・アンジェレッティ (Michael Angeletti) | 12戦12勝(7KO) | 28歳 | 米国 |
ユッタポン・トンディー (Yuttapong Tongdee) | 15戦15勝(9KO) | 31歳 | タイ |
フロイド・ディアス (Floyd Diaz) | 12戦12勝(3KO) | 21歳 | 米国 |
カルロス・ノルベルト・ロペス (Carlos Norberto Lopez) | 23戦19勝(7KO)4分 | 26歳 | メキシコ |
ウィンストン・ゲレロ (Winston Guerrero) | 21戦21勝(13KO) | 24歳 | ニカラグア |
ケネス・ロバー (Kenneth Llover) | 12戦12勝(7KO) | 21歳 | フィリピン |
アヌチャイ・ドンスア (Anuchai Donsua) | 16戦16勝(7KO) | 28歳 | タイ |
井上尚弥に敗れたボクサーのその後(現在の状況)
今度は話題を少し変えて、井上尚弥と対戦するまでは最強と言われていたバンタム級の有力者たちについて。
「そういえば、彼らは今どうしてる?」と気になっている方のために近況を調べてみました。
ポール・バトラー(元WBO・IBF世界バンタム級王者)
ノニト・ドネア(元WBAスーパー・WBC・WBO世界バンタム級王者)
アラン・ディパエン
ジェイソン・モロニー(元WBO世界バンタム級王座)
エマヌエル・ロドリゲス(元IBF世界バンタム級王者)
マイケル・ダスマリナス
ファン・カルロス・パヤノ(元WBA世界バンタム級スーパー王者)
ジェイミー・マクドネル(元IBF世界バンタム級王者)
■ノルディーヌ・ウバーリ:2022年4月5日に引退宣言するも撤回、2年ぶりに試合をするも判定負け。
バンタム級で今後活躍が期待される日本人ボクサー5選
続いては、バンタム級での成長著しい日本人選手も見ていきましょう。近い将来チャンピオンになるであろう期待のボクサーばかりです♪
増田陸(ますだ りく)
- 戦 績:6戦5勝(全KO)1敗
- 年 齢:1997年9月23日(27歳)
- 身 長:172cm
- リーチ:175cm
- スタイル:サウスポー
- デビュー:2022年7月2日
- 出 身:広島県広島市
- 所 属:帝拳ボクシングジム
第77代日本バンタム級王者。2022年8月に同じ日本人ボクサー堤聖也に判定負けを喫するも、その後は順調に勝ち星を伸ばし、現在6戦5勝(全KO)1敗。5勝は全てKO勝ちというハードパンチャー。
松本海聖(まつもと かいせい)
- 戦 績:8戦8勝(5KO)
- 年 齢:2001年8月22日(23歳)
- 身 長:170cm
- リーチ:不明
- スタイル:オーソドックス
- デビュー:2021年5月1日
- 出 身:兵庫県神戸市
- 所 属:VADYボクシングジム
2022年にプロデビューし、全日本バンタム級新人王を獲得。その後も順調に勝ち星を伸ばし、現在9戦9勝5KOと躍進している。なお、高校時代にはインターハイでベスト8進出も果たし、アマ時代から期待されている逸材。アマ戦績は25戦19勝6敗となっている。
犬塚音也(いぬづか おとや)
- 戦 績:9戦8勝(4KO)1分
- 年 齢:2002年8月23日(22歳)
- 身 長:163cm
- リーチ:不明
- スタイル:サウスポー
- デビュー:2021年12月19日
- 出 身:愛知県名古屋市
- 所 属:松田ボクシングジム
2021年にプロデビュー。畑中清詞や薬師寺保栄という世界チャンピオンを生み出した名門松田ジムに所属、そのジム内でも期待されているホープ。今後の成長が非常に楽しみな選手。
【日本人】バンタム級 歴代世界チャンピオン
では最後に、過去にバンタム級世界チャンピオンに就いたことのある日本人レジェンドボクサーを紹介していきます。
✅世界バンタム級 歴代チャンピオン【日本人編】
歴代王者 | WBA | WBC | IBF | WBO | 取得年月日 |
ファイティング原田 | ◯ | ◯ | 1965年5月19日 | ||
新垣 論 | ◯ | 1984年4月15日 | |||
辰吉 丈一郎 | ◯ | 1992年9月19日 | |||
辰吉 丈一郎 | ◯ | 1993年7月22日 | |||
薬師寺 保栄 | ◯ | 1993年12月23日 | |||
辰吉 丈一郎 | ◯ | 1997年11月22日 | |||
戸高 秀樹 | ◯ | 2003年10月4日 | |||
長谷川 穂積 | ◯ | 2005年4月16日 | |||
亀田 興毅 | ◯ | 2010年12月26日 | |||
中山 慎介 | ◯ | 2011年11月6日 | |||
亀田 和毅 | ◯ | 2013年8月1日 | |||
井上 尚弥 | ◯ | 2018年5月25日 | |||
井上 拓真 | ◯ | 2018年12月30日 | |||
井上 尚弥 | ◯ | 2019年5月18日 | |||
井上 尚弥 | ◯ | 2022年6月7日 | |||
井上 尚弥 | ◯ | 2022年12月13日 | |||
井上 拓真 | ◯ | 2023年4月8日 | |||
中谷 潤人 | ◯ | 2024年2月24日 | |||
西田凌佑 | ◯ | 2024年5月4日 | |||
武居由樹 | ◯ | 2024年5月6日 |
さすがに世界チャンピオンだけあって聞いたことのあるレジェンドばかりだったのではないでしょうか♪
ぶっちゃけ一つの団体のチャンピオンになることすらこれだけ難しいことなんですけど、それを4団体全てのチャンピオンベルトを同時期に揃えてしまった井上尚弥はやはり間違いなくモンスターだったわけです(笑)
なんだか同じ日本人として誇らしく思いますよね。また、第2、第3のモンスターが誕生して日本中を沸かせてほしいものです♪
■井上尚弥の階級、スーパーバンタム級の世界ランキングはこちら
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