今回は、モンスター井上尚弥のファイトマネーについて調査していきます。
正直なところ、他人のお金事情を勝手にあれこれ書くのもどうかと思いましたが、やはりこれだけ注目されているレジェンドボクサーですから、そのファイトマネーについて興味が湧かないわけはありませんよね♪
ということで本記事では、2023年7月25日(火)に行われたスティーブン戦で得られた井上尚弥のファイトマネーや、年末に行われると伝えられているマーロン・タパレス戦で得られるといわれているファイトマネー、さらには過去の試合で得たファイトマネー、世界、日本の世界チャンピオンの歴代ファイトマネーランキングなどをお届けします。
また、トップファイターの華やかなファイトマネー事情だけではなく、明と暗が入り混じるボクシング界の厳しいファイトマネー事情も合わせてお伝えできればと思います。
注目! モンスター井上尚弥の最新試合情報はこちら
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井上尚弥vsフルトン戦のファイトマネーはいくら?
7月25日(日)に開催されるWBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ「スティーブン・フルトンvs井上尚弥」戦で井上尚弥が手にするファイトマネーは最低でも5億と夕刊フジが報じています。
初めて米国以外で試合をするフルトンも5億のファイトマネーを手にするようです。
仮にフルラウンド(12R)戦ったとしても最大36分間。分給計算で833万円、エリートサラリーマンの年収をたった1分間で稼いでるってことです。いやー夢がありますよねー(笑)
井上尚弥のこれまでに得たファイトマネー(推定)。ドネア戦やバトラー戦など過去9試合分
1試合で3億円以上ものファイトマネーを手にするモンスター井上尚弥。しかし、最初からこんな巨額のファイトマネーをもらっていたかといえばそうではありません。
井上尚弥がこれまでの試合で得たファイトマネーを過去9試合分まとめてみましたのでご覧ください。
対戦ボクサー | ファイトマネー | |
2018年5月 | ジェイミー・マクドネル | 3850万円 |
2018年10月 | フアン・カルロス・パヤノ | 5500万円 |
2019年5月 | エマヌエル・ロドリゲス | 8768万円 |
2019年11月 | ノニト・ドネア | 1億800万円 |
2020年10月 | ジェイソン・モロニー | 1億1000万円 |
2021年6月 | マイケル・ダスマリナス | 1億900万円 |
2021年12月 | アラン・ディパエン | 1億1000万円 |
2022年6月 | ノニト・ドネア2 | 2億3000万円 |
2022年12月 | ポール・バトラー | 3億円以上 |
※上記ファイトマネーは推定。情報元は大橋ジム、サンスポ、米メディアthe sports grail、Boxing Scene、total sportalなど。
井上尚弥も2018年頃はまだ4,000万いかないぐらいのボクサーだったんですね。
その後、WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)参戦や米大手プロモータートップランク社との契約、ラスベガスでの試合、バンタム級4団体のチャンピオンにKO勝利を重ね、4年後にようやく3億円を越えるファイトマネーを手にしています。
井上尚弥も「あえてファイトマネーを公表することで、ボクシングをやっている子供たちに夢を与えられたら」と話している通り、ボクサーの魅力や素晴らしさを伝えられていることは間違いありませんね。でも、あまり公表しすぎて、また試合当日に空き巣泥棒に入られないように十分気をつけてほしいものです(笑)
試合に負けたらもらえない?ボクシングのファイトマネーの仕組みや分配・取り分について
ボクシングのファイトマネーはいわば試合給ですから勝っても負けてももらえる仕組みです。ですから今回のケースでは両者とも最低3億円のファイトマネーは保証されているわけです。
あと、井上尚弥vsフルトンのような超人気ボクサー同士の試合になると、試合をPPV(ペイパービュー有料放送)で放送することが多くなります。そうなると選手はファイトマネーとは別にPPVの売上に応じた追加ボーナスがもらえます。
ちなみに、今回の井上尚弥vsフルトン戦はPPVなし。理由は、放映権を勝ち取ったNTTドコモさんが自社の新映像配信サービス「Lemino」を宣伝するために完全無料で放送することを決定したためですね。NTTドコモさんありがとうございます(笑)
では次に、ファイトマネーがどのようにして決まるのかという仕組みや分配方法もみていきましょう。
ファイトマネーの仕組みと分配
まず、ボクシングの試合(マッチメイク)は下記のような流れで決定していきます。
- プロモーター(所属ジム)が試合を企画
- 試合会場や日程を調整
- スポンサーや放映権などを募る
- 試合条件やファイトマネーなどの金銭面の折り合いをつけて試合決定
プロモーターとは、そのイベントを責任もって主催(プロモート)する会社のことですね。ちなみに、今回の試合、井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦のプロモーターは大橋ボクシングジムになります。
プロモーターは、観戦チケット料や放映権料、それにスポンサー料などを概算で算出し、選手に出せるファイトマネーを算出します。そして双方の選手や所属ジムにファイトマネーを提示してOKなら試合決定です。ちなみに同じ試合でも選手の人気や実力によってファイトマネーの分配率が変わります。
ファイトマネーの内訳とボクサーの取り分
選手はファイトマネーの他に、PPVボーナスやCM出演料、選手が個別に契約しているスポンサー料(ボクサーパンツなどのネーム)などの収入があります。もちろん人気ボクサーになればの話ですが。
- ファイトマネー
- PPVボーナス
- CM・TV出演料
- 個別スポンサー料
ちなみに、ファイトマネーの約33%はマネージメント料として所属ジムに差し引かれますので、実際選手が手にする額(取り分)は総額の66%です。仮に本試合の井上尚弥のファイトマネーが3億なら、おおよそ1億8千万円が手取りファイトマネーという計算ですね。※報道されている3億がすでにマネージメント料33%を差し引かれている額なのかは不明。
以上の内容を踏まえると、2023年度の井上尚弥選手の年収はおそらく5〜6億をゆうに超える計算になりますねー。すごい!
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ボクシング史上 過去最高額はいくら?ファイトマネーランキング
一回試合をするだけで3億以上のファイトマネーがもらえるモンスター井上尚弥ですが、それでも世界をみるとまだまだ上には上がいます。
世界の頂点を極めた、誰もが知っている有名レジェンドボクサーたちのファイトマネーは一体いくらぐらいだったのか、さっそく見ていきましょう♪
日本人ボクサーの歴代ファイトマネーランキングTOP10
まずは日本人ボクサーのファイトマネーランキングがこちら。
- 村田諒太:6億円
- 井上尚弥:3億円
- 薬師寺保栄(元WBC世界バンタム級王者):2億3900万円
- 辰吉丈一郎(元WBC世界バンタム級王者):1億7,100万円
- 亀田興毅(元WBA世界バンタム級王者):1億円
- ガッツ石松(元WBC世界ライト級王者):7500万円
- 畑山隆則(元WBA世界ライト級王者):5,000万円
- 渡嘉敷勝男(元WBA世界ライトフライ級王者):3500万円
- 村田諒太(現WBA世界ミドル級王者):3,000万円
- 竹原慎二(元WBA世界ミドル級王者):850万円?
※これらの金額は自著や番組でのトークなどから推定金額として抽出、公式に発表されたものではありません。
1994年12月に行われた辰吉丈一郎と薬師寺保栄のWBC世界バンタム級統一王座決定戦の試合は、瞬間最高視聴率65%を超え、当時日本ボクシング史上最高額のファイトマネーと話題になりましたねー。
そして2022年4月、村田諒太(帝拳)がゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と世界ミドル級2団体統一戦を行い、28年ぶりに日本人歴代最高額を更新、推定6億円のファイトマネーを手にしたといわれています。
では次に、海外ボクサーの歴代ファイトマネーはどのくらいなのか、見ていきましょう。
海外ファイトマネーランキングTOP10
以下、世界(海外)ボクサーのファイトマネーランキングです。
- フロイド・メイゥエザー:210億円
- マニー・パッキャオ:150億円
- オレクサンドル・ウシク:54億円
- アンソニー・ジョシュア:54億円
- サウル・アルバレス:49億円
- タイソン・フューリー:43億円
- マイク・タイソン:42億円
- ゲンナジー・ゴロフキン:28億円
- ウラジミール・クリチコ:23億円
- モハメド・アリ:9億円
※ファイトマネーは推定
ボクシング史上歴代最高額ファイトマネーを手にしたボクサーはフロイド・メイウェザーで、その額なんと210億円。ひと試合で210億円のファイトマネーとか…次元が違いすぎです。
そういえば、フロイド・メイゥエザーは少し前に那須川天心と対戦しましたよね。この試合は公式戦ではないボクシングルールの「エキシビションマッチ」だったんですが、ファイトマネーはなんと1000万ドル(10億円)だったとメイウェザー本人が公表しています。
ちなみに、マイク・タイソンが自己最高額の42億円のファイトマネーを掴んだ試合は、対戦相手(ホリフィールド)の耳を噛んで失格になったという、あの伝説の試合です。
ボクシングは世界の頂点(世界チャンピオン)に立つだけではなく、選手の人気や知名度、さらには戦う階級や優秀なプロモーターに恵まれないと夢のようなファイトマネーは掴めないということなんですね。
ボクシングのファイトマネーって相場はだいたいどのくらい?
では最後に、ボクシングの「ファイトマネーの相場」について。
ここまで超一流ボクサーの目が眩むようなファイトマネーをお届けしてきましたが、一般的はボクサーはどのくらいのファイトマネーをもらっているのか?ということでお伝えしておきます。
■プロボクサーのファイトマネー相場
- 新人(デビュー):3〜4万円程度
- C級ボクサー(4回戦):5〜10万円程度
- B級ボクサー(6回戦):10〜30万円程度
- A級ボクサー(8回戦):15〜50万円程度
- 日本ランカー:30万〜数百万円
- 世界ランカー:1,000万~
※C~A級は、ボクサーライセンス資格
上記の金額は月給ではなく1試合分のファイトマネーです。
MAXでも年に3〜4回しか試合ができないボクシングの世界では、仮にプロボクサーになれたとしても生活はかなり困難を極めます。そのため、ほとんどのボクサーはボクシングの練習をしながら別の仕事(アルバイト)をしているといいます。
ちなみに、畑山隆則との死闘を繰り広げたことで有名な坂本博之(東洋太平洋ライト級王者)は、デビュー時のファイトマネーが3万円、新人王で10万円、日本タイトルに挑戦するときでも50万円だったと自叙伝「不動心」【※PR】で綴っています。
まとめ:井上尚弥vsフルトン戦のファイトマネーはいくら?
今回は、5月7日(日)に行われるWBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ「井上尚弥vsスティーブンフルトン戦」で得られるファイトマネーや、ボクシング史上過去最高額などのランキングなど、ボクシングのファイトマネー全般に関する情報をお届けしてきました。
ボクサーは一見リングの上では華やかに見えますが、職業としてはかなりシビアな世界ですね。
数億円という夢のようなファイトマネーを手にするボクサーはほんの一握り。それでも「いつかは自分も…」と、そんな夢を抱きながら過酷な環境下に身を置き、日々努力を重ねているんですね。そう考えると、またボクシングの見え方が変わってきますよ♪
以上、今回はボクシングのファイトマネー事情についてでした。
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