4月10日のTBS系スポーツバラエティ番組「炎の体育会TVSP」で、プロボクシングへの転向をサプライズ表明したキックボクサーの神童こと那須川天心。
この突然の転向発表に、多くの方が驚きを感じつつも、『やっぱりかぁ』という、妙な納得感を感じた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、那須川天心選手は数ある格闘技の中で、なぜ「ボクシング」という道を選んだのでしょうか?
ということで今回は、那須川天心選手の「ボクシングに転向した本当の理由」について探っていきます。
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なぜ那須川天心は、ボクシングに転向したのか?
那須川天心選手は、ボクシング転向を決意した理由について、自身のYouTubeチャンネルでこのように語っています。
僕の中で、人生はチャレンジ(挑戦)だと思っている。
敵がいないといわれている今の状態で、ずっと上に居座っているのは好きじゃない。
純粋にボクシングには強いチャンピオンがいるんで、その人たちを倒す、ただそれだけです。『那須川天心チャンネル』より抜粋
カッコいいですよねー。
ちまたでは、ボクシングに転向した理由について「ファイトマネーが良いからじゃない?」「やっぱり金か」などと、いろいろ言われていましたが、そのことについても本人は完全否定しています。
ファイトマネーが良いからボクシングに行こうとか、そもそも考えたことない。
日本のなかで世界チャンピオンになっている人のファイトマネーと、いまの僕の試合のファイトマネーとは、そこまで大差ないと思う。
そりゃ世界で試合するようになれば桁は違いますけどね。『那須川天心チャンネル』より抜粋
そしてこう続けています。
ボクシングは自分の中で可能性があると思ってるし、しかも強い奴がゴロゴロいる。
ワクワクしますよね。
本当にドラゴンボールの世界だと思いますよ。『那須川天心チャンネル』より抜粋
少年のようなまなざしでそう語っていた那須川天心選手をみていると、なんだかこちらまでワクワクしてきてしまいます♪
「ドラゴンボールの世界」と表現したその一言に、天心選手のボクシングに賭ける思いや意気込みがすべて詰まっていますよね。
『純粋に強いヤツを倒したい!』
きっとそれこそが、彼がボクシングへ挑戦しようと決めた最大の理由なのでしょうね。
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過去にキックからボクシングに転向して成功した選手っている?
来年2022年3月からプロボクサーに転向すること発表した那須川天心選手ですが、気になるのは、これまで「キックボクシング」から「プロボクサー」に転向して、成功した前例があるのか?という点。
調べてみたら、過去にひとりだけ日本人で成功を収めた選手がいました。
✅ 藤本京太郎選手
- 2006年:20才で K-1デビュー
- 2009年:23才で 第2代「K-1ヘビー級王者」獲得
- 2011年:25才で プロボクシングに転向
- 2017年:31才で 「WBOアジア太平洋ヘビー級王座」獲得
2009年のK-1といえば、あのピーター・アーツや、ジェロム・レ・バンナらが活躍していた時代ですから、その世代でK-1ヘビー級王者獲得はヤバすぎます。
しかし、そんな藤本選手でもプロボクシングの世界ではアジアチャンピオン止まりだったんですよね。
とはいえ、キックボクシング自体、日本での歴史はまだ浅く、メジャー認知されたのはここ20年ほどですから、まぁなんとも言えないところですね。
ちなみに、小さい頃「空手」をしていたっていうボクシングの世界チャンピオン(日本人)はけっこういました♪
現WBO世界フライ級王者
- 中谷 潤人:小学3年から極真空手
現WBA世界ライトフライ級スーパー王者
- 京口 紘人:3歳から空手
元WBO世界フライ級スーパー王者
- 田中 恒成:幼稚園より空手
元WBA世界バンタム級王者
- 亀田 興毅:幼少期に空手
元WBC世界スーパーフライ級王者
- 徳山 昌守:5歳から15歳まで空手
凄いメンツですねー!田中恒成選手や亀田興毅さんも空手出身なんですねー。
あとは「ムエタイ」からボクシングに転向して成功を収めたケースも調べてみました。
こちらは日本人ではないですが、日本でもなじみのあるボクシング界のレジェンド達ばかりです。
元WBC世界スーパーライト級王者
- センサク・ムアンスリン
24才でプロボクシング転向、わずか3戦(8ヶ月)で世界チャンピオン獲得。ガッツ石松と対戦、KO勝ちしている。
元WBC世界スーパーバンタム級王者
- サーマート・パヤクァルン
19才でプロボクシング転向、4年で世界チャンピオンへ。
元WBA世界スーパーフライ級王者
- カオサイ・ギャラクシー
21才でプロボクシング転向、1年で世界チャンピオンへ。
元WBA世界バンタム級王座
- ウィラポン
26才でプロボクシング転向、わずか4戦で世界チャンピオン獲得。辰吉丈一郎と2回対戦して2回ともKO勝利を収めた。
元WBC世界フライ級王者
- ポンサクレック
17才でプロボクシングに転向、2年3ヶ月で世界チャンピオンへ。亀田興毅、内藤大助とも対戦。
元IBF世界フライ級王者
- アムナット・ルエンロン
32才でプロボクシングに転向、1年半後に世界チャンピオン獲得。井岡一翔とも対戦、判定勝ちを収めている。
「ムエタイ」すごいですね!
タイの国技「ムエタイ」は、もともと日本キックボクシングのルーツだといわれていますし、そう考えると、キックボクシング界で敵なしの那須川天心選手も、十分世界を狙えるのでは?と期待してしますよね♪
那須川天心のボクシング技術や実力は通用するレベルなのか。
こうしていろいろ考察していくと、ボクサー那須川天心選手に期待が膨らみますが、実際のところ現時点のボクシング技術ってどのくらいなものなのか?
ボクシング界の名だたるレジェンド達が、「天心選手はプロボクシングで通用するかどうか」を分析していましたので、まとめて紹介します。
✅ まず一人目は、現WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人選手の分析。
天心くんのボクシングスキルは半端ない。普通に日本チャンピオンクラス。
でもボクシングは12ラウンドなので、そのラウンド数に適応できるかどうか。
ただ、キックの時のような圧倒的な力の差はみせれないと思う。
ポテンシャル的には世界チャンピオンになれるぐらいのものはあると思う。
✅ 続いて、日本ボクシング界のレジェンド、具志堅用高さん。天心選手のミット打ち後の感想。
スピードはあるのは知ってたけど、こりゃパンチ力もハンパじゃないよ!ライト級ぐらいのパンチ力があるよね。
特に肩と腰が強いね。
ボクシングに転向して1年しっかりやればすごい選手になると思うよ。
天心選手の弱点?気を抜いたら終わりだよ、そこだけ。
✅ 世界チャンピオン日本最多の、協栄ボクシングジム 金平会長。
那須川選手は非常に身体能力が高くてパンチも鋭いし正確。
左ストレート、右フック、サウスポーの構え、全てにクセがなくなめらかでボクサーらしい動き。
現段階の那須川選手のレベルは、技術的にはA級ボクサー(8回戦)ぐらいの実力はあると思う。しかし、長いラウンドで戦っていないので、スタミナ面と集中力は未知数。
なのでまず初戦はB級(6回戦)デビューで、2試合目に海外で世界ランカー、そして3戦目で世界タイトルを狙いに行くんじゃないかな?
✅ モンスター井上尚弥も在籍、大橋ボクシングジムの大橋会長。
私は以前から那須川選手のボクシング技術を評価してきた。
技術的にはスピードがあり、強烈な左カウンターを持っている。この2点が特に素晴らしい。
22年のうちにプロデビュー戦を計画しているそうだが、村田諒太選手のプロ初戦のように、日本王者と対戦してもいいのではないかというレベルにある。引用元:日刊スポーツ(2021/04/10)
✅ 渡嘉敷ボクシングジム会長、渡嘉敷勝男さん。
天心選手はサウスポーってのが良いよね。世界チャンピオン含め、海外ではサウスポーが少ないから研究されにくい。
スピードが早いし、計算されたコンビネーションが上手い、手数がある、勇気がある。ボクサーセンスも抜群。
大橋会長が言ってたように、デビュー2戦目でボクシング史上最速の世界チャンピオンになる可能性もありますよ。
✅ 元WBA世界スーパーフェザー級&ライト級王座、畑山隆則さん。
デビューはA級(8回戦)だろうね。
センサクやロマチェンコは3戦目で世界タイトル取ってるんだけど、天心選手は当然2戦目で行ってほしい。
本人はおそらくそのぐらいのこと考えてると思いますけどね、世界最短でね。日本人最短は田中恒成くんの5戦目なんで。
✅ 元WBA世界フライ級暫定王者の江藤光喜さん。
天心くんの強さはスピードとフィジカル。素質は十分にあると思う。
コンビネーションからアッパーも出すし、カウンターでアッパーもしっかり当てるし、天心くんはボクサー向きだと僕は思う。
ただ、さすがに初戦でいきなり日本チャンピオンと戦っても正直厳しいと思いますけどね。
ボクシング関係者から見てもどれもかなりの高評価で、期待感がひしひし伝わってきますねー。
まぁ世界タイトルを2戦で取れるっていうのは、さすがにリップサービスでしょうけど(笑)
にしても、那須川天心選手は、関係者でも夢物語を描いてしまいたくなるほどの逸材ということには間違いなさそうですね♪
那須川天心のボクシング転向を聞いた世間の反応
では最後に、那須川天心選手のボクシング転向を聞いた「世間の反応」を見ていきましょう♪
ボクシングはそんなに甘くないとボクシング関係者が那須川天心のボクシング転向にアレルギーを示す場面をYouTubeなんかでよく見るけど、タイの伝説的チャンピオンは殆どムエタイ出身だし、通用するに決まってるよ。
— 斑@覇王丸 (@Bmadarame) April 24, 2021
那須川天心。ボクシングへ転向🥊
— 日の丸弁当 (@box_CN_mit) April 24, 2021
井上尚弥との対決。見てみたい#那須川天心 #ボクシング転向 #キックボクシング引退 #井上尚弥
天心のボクシング転向は大賛成。気になるのは階級かな、どこから狙うんやろ。
— スキゾキッズ (@schizo_kids) April 23, 2021
那須川天心、ボクシング転向したところで通用しないだろ。所詮井の中の蛙。日本チャンピオンがいいところ。
— ごや (@goyamart) April 23, 2021
那須川天心、ボクシング転向は喜ぶべきことだけど、
— M.A.S.S⇒YɅN (@atonomatuli) April 17, 2021
今まで培ってきたものがどこまでボクシングに対応出来て、出来ないとこがあるのだろうっていうのは気になる。クリンチで反射的に膝でそうw
今でもキックよりはデカいマーケットにはなるのかな?
那須川天心がボクシング転向を正式に発表した
— hiroshi (@hiroshi39984415) April 18, 2021
キックが、かつてのK-1のような華やかな世界だったら、こんなことは起きない
キックは彼に見捨てられたんです
これだけの才能、そうそう出て来ないよ
業界内で小競り合いなんかせず、力を結集すれば日本発の世界に通用するコンテンツになる
目を覚ませ!
那須川天心がボクシング転向を公式表明したのは知ってたが、それにぶら下がったファンの発言で井上尚弥の名前が上がってたのは流石に草しか生えん
— 『D』 (@Redsnakesrepo) April 13, 2021
自分の好きな選手が転向する先の偉大なチャンピオンの事ぐらいもう少し知るべきじゃないかな?
彼は日本ボクシング史上どころか世界ですら空前絶後の男
いろいろな意見がありますねー。
なかには、早くも「天心」対「モンスター井上尚弥」との対戦を熱望している方も多いようです♪
ちなみに京口紘人チャンピオンは、『現段階の天心では、絶対にモンスターには勝てない!』と自身のYouTubeチャンネルで断言していましたね。
まぁ、それだけモンスターはモンスター(バケモノ)だということでしょうね♪
【まとめ】那須川天心はなぜボクシングに転向?「世界で通用する」と関係者が絶賛するその理由とは?
ということで今回は、「那須川天心選手のボクシング転向の本当の理由」や、ボクシング関係者から見た「天心選手の現段階でのボクシングの実力」などを紹介してきました。
『純粋にボクシングには強いチャンピオンがいるんで、その人たちを倒す、ただそれだけです』
ボクシングに転向する理由を、そう語った那須川天心選手。
キックボクシング界から去るのは少し寂しい気もしますが、プロボクサーとしてまた新たな伝説を刻んでいく姿を見れると考えると、それはそれでまた楽しみですよね♪
でもその前に、やはりもう一人のキックボクシング界の頂点に君臨する武尊選手とだけは決着をつけてから、ボクシング界に殴り込みをかけてほしいものです♪
Check‼ ようやく頂上決戦が来るか!
以上、今回は那須川天心選手のボクシング転向の理由についてでした。