先日、「死海文書」に関する新たなニュースが、世間をにぎわしていました。
死海(Dead Sea)周辺で発見された古代の聖書写本群「死海文書(Dead Sea Scrolls)」のDNA調査で、死海文書の一部については、発見された砂漠の地域に由来するものではないことが判明した。研究結果が2日、発表された。
引用元:AFPBB News(2020.6.4)
約2000年前に書かれた聖書の原型ともいえる「死海文書」が新たに発見されました。今回の発見は65年ぶりです。
引用元:テレ朝NEWS(2021.3.16)
ところで、死海文書って一体なに?
「死海」という名前からして、なんだかミステリアスな感じですよね。
「死海文書」とネットで検索しても、専門的すぎてなかなかすぐに理解できないものばかりだったので、今回は「死海文書」を初めて知った方向けに、とても簡単に、簡潔にまとめてみました。
「死海文書」のプロファイル
まずは、「死海文書」を簡単に説明します。
- 1947年、『死海文書』が壺の中から発見される
発見場所は、イスラエルの死海の北西部のクムラン洞窟 - その後の発掘で、その周辺からもかなりの数の古文書が見つかる
2017年には12個目の洞窟が発掘される - 調査の結果、おそらくそれらは紀元前3~2世紀頃、今から2200~2300年前にあった書物を新たに書き写した文書と判明。
- 死海文書は、ヤギ皮や牛皮、羊の皮、植物の茎皮、銅板などに書かれていた
紀元前3世紀といえば、日本でいうと弥生時代ですね。
その時代にあった歴史書を、誰かが新しく書き写し残した書物、それが「死海文書」
画像引用元:Wikipedia「死海文書」
当時は現代のような保管技術はなかったので、古くなった歴史書などは、新しく書き写すことで後世に残していってたんですね。
その為、死海文書は、「死海写本」ともいわれています。
✔ ちなみに、死海の場所はこちらです。
結局、死海文書って何が書かれているの?
死海文書には、主にこんなことが記されていました。
- 死海文書は、今まで伝えられてきた過去の歴史そのものを、大きく揺るがすような新事実などが記されている、現代考古学上、最も重要な写本だった
- 発見された文書の半数近くは、最古級の聖書(キリスト教やユダヤ教などの起源や歴史的背景)など宗教にまつわる写本だった
- 死海文書には、全部で64ヶ所の金・銀・銅などの「財宝のありか」なども書かれていた
「財宝のありか」と聞くと、なんだかテンション上がりますね♪
そういえば、一時期日本でも徳川埋蔵金が話題になりましたよね。
まぁ、死海文書の場合、その戦国時代よりも1900年も前の話ですけどね。
改めて考えると、すごい大昔なんですよね。
なんで死海文書はこんなに注目されているの?
死海文書が注目されている理由は主にこの2つです。
- 誰が、何の目的で、当時の書物を書き写したのかすら、未だに解明できていない。しかも、なぜそれらをわざわざ人目の付かない、洞窟の壺に隠す必要があったのかもよく分かっていない
- 死海文書には、キリスト教とユダヤ教との新たな関係性や宗教の起源などが記されていて、それらの真偽に世界中で論争を呼んでいる
イスラエルといえば、世界三大宗教の中のキリスト教とイスラム教の聖地、エルサレムがあり、ユダヤ教は、その二つの宗教の起源とも言われています。
海外での宗教に対する信仰心は、日本のそれとはまるっきり違いますので、必然的に宗教の起源についての関心度も増すわけですね。
個人的には、隠された財宝の方にロマンを感じてしまいますが・・・(笑)
まぁなにんしても、死海文書は謎が多い古文書であることは間違いないです。
死海文書が未だに解明されていない理由
発見されてからもうすでに70年以上経っていながら、未だ解明されていない死海文書。
なぜそんな長い間解明されないでいるのか、それがこちらです。
✔ 未だに死海文書が解明されない原因
- 死海文書の保存状態が良くなく、25,000個もの古びた断片を、ジグソーパズルのように組み合わせて解析している為
- 死海文書に書かれている「ヘブライ語」「アラム語」「ナバテア語」などの文字は、現代では使用されていない文字で、解読にかなりの時間がかかっている
- 発掘された周辺の中東地域は、今も紛争中で、死海文書に書かれた内容次第では、土地の主張や政治にも大きく関係してくる為、非常に扱いが難しい
死海文書まとめ
さて、今回は「死海文書」をすんごく簡単にまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
最近では死海文書は、都市伝説などでも話題となることも多いですよね。
歴史が塗り替わる程の古文書の発見ということもあり、しかもその背景には、宗教や政治的なことが絡むとなると、やはり陰謀説や終末論などが出てきますよね。
「隠された真実」「塗り替えられた歴史」
いったい誰が、そして、なんの目的で…
・・・といった感じで、都市伝説の関さんの声が聞こえてきそうです(笑)
発見から70年以上の年月を経ても、いまだ全体の2割も解明されていないといわれる死海文書。
そこがこの「死海文書」の最大の魅力であり、ミステリーなのかもしれませんね。
今後の解明が楽しみです♪