なぜ? 民家の庭先にカブトムシが大集合 今夏は計60匹確認 群馬・吉岡 「急に集まるように…」
群馬県吉岡町大久保の数軒の民家で、庭先にカブトムシが大量に発生し、近所で話題になっている。
カブトムシが群がるのは、畦上範昭さんと新井直良さんが自宅で育てている樹木、シマトネリコ。2年ほど前から、黒光りする成虫が確認されていたが、今夏はすでに計60匹以上という。
引用元:上毛新聞社(6/19)
という、なんとも少年の心を躍らせるようなニュースが飛び込んできたので、さっそくその「シマトネリコという木」について調べてみました。
カブトムシが集まる木「シマトネリコ」とはどんな木?
まず、この話題になっている「シマトネリコ」という木。
なかなかなじみの浅い、今まであまり聞いたことのない木です。
カブトムシやクワガタといえば、クヌギやコナラ、ミズナラといったところが有名ですが、「シマトネリコ」とはいったいどんな木なのかを調べてみました。
「シマネトリコ」と、読み間違える人続出みたいです(笑)
✔︎ 「シマトネリコ」の詳細情報
【和名:シマトネリコ(島十練子)】
【学名:Fraxinus griffithii】
- 科名 / 属名:モクセイ科 / トネリコ属 常緑樹(別名:タイワンシオジ)
- 原産地:日本(沖縄県・台湾・中国・フィリピン)
- 開花期:5月下旬~7月上旬(白い花が咲く)
- 木の高さ:最大15~20m
カブトムシが集まる木「シマトネリコ」の原産地は、日本ではもともと沖縄だけだったんですね。
しかし、今では日本全土の公園や公共施設のシンボルツリーに街路樹、それにガーデニングなどの植栽で多く使われているようなので、よく見ると「シマトネリコだった」ってことがあるようです。
ということで、次項で「シマトネリコ」の画像を見ながら解説します。
カブトムシが集まる木「シマトネリコ」の見分け方を画像で解説
さっそく「シマトネリコ」画像を見ていきましょう。
✔︎ 「シマトネリコ」の画像がこちら
出典:https://www.uekipedia.jp/
出典:https://yourmystar.jp/
「シマトネリコ」の葉っぱ画像ですが、ちょっとこれは…特徴もなく、なかなか見分けが付きにくいタイプですね。
どこにでもありそうな、よくみる葉っぱのカタチです。
葉っぱの色は、種類によって緑に黄色が混ざっているマダラのもあるようです。
では次は、カブトムシが蜜を吸いに来る、「シマトネリコ」の幹(樹皮)を見ていきましょう。
シマトネリコの樹皮は灰褐色、円形の皮目があり、古い幹は樹皮が剥がれ、緑色、褐色、クリーム色のまだらになる。小枝は短毛があるか又はほぼ無毛。
引用元:三河植物
✓ こちらが「シマトネリコ」の幹(樹皮)
出典元:https://blog.goo.ne.jp/seitakasigi/e/89d0625297a3e7d441f2458ae746695a
やはり樹皮が剥がれて樹液に集まって群がるんですね。
ちなみにこの画像の剥げている箇所、カブトムシがかじった痕らしいです。
7月から10月ぐらいには花が咲くようです。
✓ こちらが「シマトネリコ」の花
この花は「シマトネリコ」をみつけるうえで、目安になりそうですね。
花が咲く時期は7月あたりからですから、カブトムシの時期と重なりますね。
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なぜ「シマトネリコ」には、大量のカブトムシが群がる?集まる?
しかし、なぜこの「シマトネリコ」という木にカブトムシが集まるのか。
カブトムシが好む理由や条件を調べてみました。
- 樹皮が柔らかい為、自力で削って樹液が吸える
- 木自体が自然脱皮する(樹液が出やすい)
- 根から水をよく吸う為、樹液がたくさん出る
- 現在では、日本中どこでも植えられている
この「シマトネリコ」、成長して8年ぐらい経つと、自然と樹皮が剥がれてくる(脱皮)そうです。
しかも、その樹皮はほかの木より柔らかく、蜜(樹液)が吸いやすいそうなんですね。
さらには、水をよく吸う植木なので樹液も出やすい。
ということで、カブトムシが好む理由は、「シマトネリコ」の樹木の性質が、カブトムシにとっては最高の条件下(楽園)だったからなんですね。
SNSやTwitterなどでは、日本全土「シマトネリコ」に集まる、大量のカブトムシの画像などが投稿されていますので、そちらも参考にすると、より「シマトネリコ」の見分け方が分かるかもしれません。
ちなみに、クワガタはこの木には集まらないようです。
理由は、
- 自力で樹皮を剥けない(かじれない)
- クワガタは、朽ちた木の中で冬眠したり成長する為
らしいです。いわれてみればたしかに納得ですね♪
みなさんもぜひ、お近くの「シマトネリコ」の木を探してみて下さい。
まだだれも知らない、カブトムシスポットがあるかもしれませんよ♪