近年、何の前触れもなく突如地面が陥没し、あっという間にすべてを飲み込んでしまうという「シンクホール現象」が世界各国で続々と報告されています。
見ているだけでもゾッとするような映像ですよね。
シンクホールが出来る原因や、そのメカニズムは一体どうなっているのでしょうか?
ということで、今回はこれまで発生した世界各地の巨大シンクホールと、その原因をまとめて紹介していきます。
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世界各地で起こる巨大陥没穴・シンクホール現象とその原因
世界各地で起こっている巨大陥没孔「シンクホール」
シンクホールとは、
なんらかの影響で地中(地下)に大きな空洞ができて、表層がそれに耐えられずに崩落してしまうという現象のこと。
その「なんらかの影響」というのが重要になってくるシンクホールの原因となるわけですが、
- 地殻変動によるもの
- 地下の石灰石が浸食により溶け出す
といった自然現象であったり、
- 地下の給排水設備の漏水
- 鉱山跡地などで人工的に空洞が作られた
といった人工的現象であったりと、その原因は一つではありません。
しかし、初期段階でいくつかの兆候が現れていたとの報告もあります。
- 木々やフェンス・外塀が傾く
- 地面に亀裂が入る
- 植木や花が枯れてしまう
- ちょっと前から地中から不気味な音がしていた
日本でも2016年に、福岡市博多区でシンクホールが発生しておりますし、決して他人事ではありませんよね。
次は、各国で発生している巨大シンクホールと、その理由や原因についてもまとめてみましたので、じっくりご覧ください。
ブラジル・ミナスジュライス州「深さ15mのシンクホール」
2017年11月。
ブラジルのミナスジュライス州にあるコロマンデルの畑で突如現れたシンクホール。
- 直径30m 深さ15m以上
- 原因は、地下の岩盤(石灰石)が酸性雨水により分解され、空洞ができてシンクホール(陥没孔)が発生。(ウベルランディア連邦大学の地質学者の見解)
画像右上の人と比較すると、このシンクホールがどれだけ大きいのかが一目瞭然です。
深さ15mというと5階建てのマンション相当ですから、そんな穴が突然目の前に現れたら…と、考えるだけで恐ろしすぎますよね。
グアテマラの首都「深さ100mのシンクホール」
シンクホールの発生する場所は、何も農村地帯に限ったことではありません。
2010年5月。
場所は、グアテマラの首都グアテマラシティの交差点。
- シンクホールの深さは約100m。
- 原因は、暴風雨などで下水道管が破裂した影響で、地下に空洞が形成されたのではないかと分析(ダートマス大学の地質学者)
- 陥没の数週間前にゴロゴロ音が聞こえたと報告あり
首都グアテマラシティの街中で突如発生、家や車が次々と飲み込まれていったといいます。
中の様子は、上空から覗いてみても真っ暗闇で確認出来ないほどの深さです。
ちなみに、同市では2007年にも同様のシンクホール(深さ100m)が発生しています。
ロシアのベレズニキの森「深さ200mのシンクホール」
1986年7月。
場所は、ロシアの人口16万人ほどの小さな町ベネズニキの近くの森。
- 深さ200m、長さ210m、幅110mで、現在も拡張中
- 原因は、旧ロシア時代の鉱山の影響。
ベレズニキの全住宅の50%以上が鉱山の上に建っているようで、この地域では今も絶えず新しいシンクホールが発生しており、住民は移転を余儀なくされています。
2014年に同市内で発生した小さめのシンクホール。
家の横にこんな空洞が出来たと考えるだけで、生きてる心地がしませんよね。
陥没した穴は今も地表を吸い込み続けており、発生当初から比べると10倍以上に巨大化しているとのことです。
ベネズエラのギアナ高地「深さ350mのシンクホール」
1974年に発見される。
場所は、南米ベネズエラの標高1,350mのギアナ高原の山「サリサリニャーマ」
出典:NIUTubeよりスクリーンショット
- シンクホールとしては世界最大規模の直径350m、深さ350m、穴はほぼ垂直に陥没。
- 周辺には、少なくとも9ヶ所のシンクホールがある。
- この地域はなぜか立ち入り禁止地区になっており、発生原因は今も分かっていない。
- 夜中になると奇妙な叫び声が鳴り響くことから、通称「悪魔の大地」とも呼ばれている。
森がまるごと抜け落ちています。
深さ350mというと、東京タワー(333m)以上なんですよね…。
ここまでくると、もうなんだか見ているだけで気分が悪くなるレベルです。
シンクホールは陸地だけではない!?海や湖の巨大陥没穴「ブルーホール」
これまで各国の巨大シンクホールを見てきましたが、実はシンクホールは、海底(湖や沼など)でも起こっているのです。
水底で起こるシンクホール「ブルーホール」の脅威の映像&画像もご紹介します。
アメリカ ルイジアナ州の「全てを飲み込んでいく沼・ブルーホール」
2012年8月。
場所は、アメリカ ルイジアナ州のバイユー・コーン付近の湿地帯(沼)。
- シンクホールの規模は、約9万7,000㎡(東京ドーム2個分)
- 原因は、沼の地下深くの岩塩を掘削している途中の作業ミスにより発生。
- この影響で、周辺地域住民の数百世帯は、避難を余儀なくされた。
あの背の高い大きな木々が完全に飲み込まれるとは、一体どのくらい深いのでしょうか…。
まさに底なし沼、考えるだけでも恐ろしすぎます。
南シナ海のもっと深い「300mのブルーホール」
発生時期は氷河期、発見は16世紀。
場所は、南シナ海のパラセル諸島付近。
- 世界で最も深いといわれる300mを超える「ブルーホール」
- 原因は、氷河期時代にあった地下の氷が溶け、海底が陥没して出来たといわれている。
龍の目に似ていることから「ドラゴンホール」ともいわれ、2016年に「世界一深いブルーホール」とされています。
ブルーホールの最深部は光も酸素もない真っ暗闇とのことで、ダイバーは海底と海面(上と下)が分からなくなり、命を落とす方も多いようです。
まとめ:巨大陥没穴・シンクホール現象とその原因について
今回は世界各国で起こっている巨大陥没穴「シンクホール」について、その画像や原因について紹介していきました。
✔︎ シンクホールが起こる原因のまとめ。
- シンクホール(陥没穴)の主な原因は、自然現象か人工的なものか、の2通りに分かれる。
【自然現象の場合】
地盤の地質、主に石灰岩などが酸性雨により浸食して空洞が発生、のちに陥没が起こる。
【人工現象の場合】
地下資源・海底資源の採掘、地下鉄、給排水管施設の老朽化(水漏れ)などが原因で陥没が起こる。 - シンクホール発生前に、初期兆候があったと報告されているケース。
・発生前に地割れ
・塀やフェンスの歪み
・植木、花などの植栽が枯れる
・地中から不気味な音がする
「シンクホール」という自然が生み出した驚異的なパワーの前では、改めて人間の非力さを感じますね。
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